医療機関M&Aについて
現在行っている医業を自分以外の第三者に引き継ぐ場合、どのような方法をとればよいのか、という問題に答えるのが、事業承継、M&Aです。
事業承継やM&Aは、従来医療とはそれほど関係ないと思われてきた分野です。しかし、医療法人という制度が普及したこと、医療法人の設立者が相続の問題を抱えていることといった事情から、医療機関においても、事業承継・M&Aといった問題が稀有な問題ではない状況になってきました。
相続・事業承継・M&Aは、医療法に関する問題、税に関する問題、登記に関する問題など、様々な分野の専門的知識が必要とされます。
当法律事務所には、弁護士、司法書士、税理士及び社会保険労務士といった他分野の専門家が所属しており、皆様のお役にたてると考えております。
Q&A
- M&Aとは何でしょうか。
- M&Aとは、Merger & Acquisitionの略であり、合併と買収と訳されます。第三者の事業などを承継する場合に行われ、株式会社などでは積極的に活用されています。
- どのような場合に医療機関においてM&Aが行われるのでしょうか。
- いろいろな場合が想定されますが、典型例は、医療機関の後継者がいない場合です。
医療機関の規模は様々ですが、個人でクリニックを開業されていたり、常勤の医師あるいは歯科医師が1人のみの医療法人の占める割合は大きいとされています。そのような医療機関において、医師あるいは歯科医師の高齢や健康問題で、診療を継続しがたいという事情が発生した場合、医業を第三者に引き継いでいただくという方法が考えられます。そのような場合にM&Aが活用されることになります。
- M&Aのメリットとは何でしょうか。
- 後継者がいないという問題が発生した場合、選択肢は概ね2つです。1つは廃業、もう1つはM&Aによる継続です。
医業は、社会的な意義が大きく、いきなり廃業をすれば、現在通院中の患者が行き場を失ってしまうというデメリットがあります。
M&Aによって、第三者に医業を引き継いでもらうことで、上記のデメリットを回避することができるというメリットがあります。
- 医療機関のM&Aは専門家でなくともできるものでしょうか。
- 医療機関のM&Aは、大まかには、次のような手順を踏むことになります。対象の選定、情報の収集、合意書の取り交わし、デューデリジェンス、契約書の作成、契約の締結、引き渡し及び決済、届出及び登記といったものです。この手続きは、不動産の売買と類似する部分がありますが、それよりも複雑です。さらに、対象となる医療機関の形態により方式が異なります。
したがいまして、専門家に依頼することが必要であると考えます。
当事務所は、弁護士・司法書士・税理士・社会保険労務士といった複数の専門家が在籍しておりますので、皆様のご期待に応えることができると考えております。